最近読んだ本で面白かったのが「グローバルインフレーションの深層」という本だ。今欧米がインフレになっているのはFRBとECBが2年前に出ていたインフレの芽を摘まないミスを犯したからで、インフレが拡大したあと慌てて金利を上げたので欧米の景気、金融システムに悪影響が及んでいるという内容だ。そして、植田日銀総裁はその時のFRBとECBが犯した緩和延長の間違いを犯そうとしており、今後日本でインフレが深刻になる可能性があるとの論調である。私は長期的に日本円が円安になる方向に賭けているのでこの本の予想通りになると嬉しいという立場だ。
この本で興味深かったのが、アメリカで時給が上昇し人手不足が続いている背景の一つに、55歳以上の世代で資産に余裕がある人達が早期リタイアして労働市場に戻ってこないことが挙げられていたこと。コロナでテレワークや長期休暇になり、コロナで知り合いが亡くなるのを見て仕事復帰をやめる人が増えているということだ。労働参加率はあまり悪くないが、55歳以上の労働参加率はコロナ前の水準まで戻っていないので、これが主原因かはわからないが原因の一つである可能性はあると思う。この流れが大きくなり、日本に波及して日本も50代以上の経営層がいなくなってくれれば良いと自分は願っているがそうはならないかな。こう思う理由は、自分と同じ50代で会社を辞める仲間が増えてほしいこと、過去に50代の経営層が判断ミスをして部下が地獄をみるという例を散々見てきたことだ。50代で資産に余裕がある人はさっさと隠居する社会にした方が良いと思う。
