いきなりFIRE

50代、外資系、ベンチャーなどを転々とした後、仕事がなくて強制的にFIRE状態に。日々の雑感を綴っていきます

FA関係の知り合いと会った

先日、定期的に会っている元上司の方と東京で会い、情報交換で食事をした。その方は元シーメンスで、FA関係で大手の会社に何社か在籍したエキスパートなのだが、今後の日本企業のものづくりについてかなり危機感を持っていた。

 

元々日本の製造現場は制御機器などの更新が遅いなど先進的でない問題があったのだが、それを優秀なエンジニアを低給料で長時間こき使ってカバーしてきた歴史がある。ただし、現在の人手不足の状況でそれをやるのは無理が出てきており、先端技術を導入することで生産性を上げることが重要だと自分は考えてきた。ところが、元上司いわく、日本はその対策に遅れており、モノづくりの競争で今後アメリカにも負けるということだった。アメリカでは、エンジニアの給料が高くなりすぎて量産現場で雇えなくなったため、工場の制御機器が次々と素人でも簡単に操作できるようなものに置き換わっていると言う。例えばPLCについて、私は昔日本のK社のPLCを使っていたが、これは素人が簡単に使えるものではなかった。専用のソフト、コマンドで制御が必要な他、工場のデータ管理、ログデータの管理でソフトやハードの更新、追加などが必要であり、これはある程度慣れたエンジニアが現場、メーカーとやり取りをして決める必要があった。今米国で販売を増やしている制御機器は、PCのソフトですべて条件設定可能でハードウェアもあらゆることをすぐにカバーできるもの、つまり、PCでソフトをいじったことがある人間なら工場経験なしでも工場生産ラインの制御が出来るというもの。米国でこういう製品が実績を作ると今後東南アジアなどでも広がり、日本だけ古臭い工場作業が取り残される恐れがある、これを日本のメーカー経営者(ほとんどは文系)は理解できていないという指摘だった。

 

日本の製造現場からは離れてしまったので実際どうなのかは知らないが、アメリカのMITやハーバードが、AIエンジニアの増加は機械、電気エンジニアの削減につながると言っているは知っていたので、今後専門知識を持ったエンジニアの立場が悪くなっていくのではないかと思った。